箱根熱海、美の真髄を探る旅②

ヒルトン小田原リゾート&スパ 
 今日のお泊りはヒルトン小田原リゾート&スパ。
雇用促進事業団が作った豪華施設が経営に行き詰まり、小田原市が買い取ってヒルトンホテルが運営している。もともとはみかん畑、相模湾眺望が最高のロケーションに12階建て本館、25メートルプールと各種スパが併設、なんとも豪華な施設に仕上がっています。寝室はすべてオーシャンビュー、初島、大島、三浦半島まで手に取るように見えます。

ユニット2から参加の人も加わり本日の夕食は海の幸優先の和食会席。お好みのお酒に舌鼓を打ちながら弾む会話を楽しみました。

 丸2日晴天に恵まれたためか、最終日の朝はやや曇り勝ち。でも本日の行程は殆ど屋内なので、今までの幸運をかみ締めつつ熱海のMOA美術館に向かいました。

MOA美術館
 MOA美術館は岡田茂吉氏が開設した世界救世教が母体。
日本の美術品が海外に散逸することを恐れた岡田氏が、自らのコレクションを熱海美術館として公開していたのを昭和57年に大々的に増設、堂々とした近代的美術館が出現したものです。約束の時刻には総務部の岡田範幸さんがお出迎え、岡田さんのご案内で30メートルにも及ぶ長大なエスカレーターで山頂の展示室までたどり着きました。

まずは能楽堂で展示品の説明。
5月15日からの特別展示「所蔵 近代日本美術の煌き」の主要出品物をDVDで解説。日本画の細部の描写、陶磁器の巧みな技巧、華麗な蒔絵など丁寧な説明に理解を一段と深めました。
そのあと一行は本館を出て日本庭園の一隅にある光琳屋敷へ向かいます。 

一般見学者は京都から移築した尾形光琳の屋敷を外側から見学するだけですが、岡田さんの計らいで一行17名は屋敷の内部まで案内されることになりました。
薄暗い邸内に目が慣れてくると、それぞれの部屋によって壁色、襖の模様、天井の造作がそれぞれ違います。これらは光琳の設計図に従って職人が作り上げた、いわば芸術品。国宝の紅白梅図屏風はこの家の2階の画室で描かれたそうな。
一部2階建ての大きなお屋敷、細部にまで拘った京風町家。これだけの家屋、更に6人もの妾を養い、59歳で早世した光琳は若い時からその天分を天下に認められていたのでしょう。
五畳半の茶室、三畳の茶室、居間、台所、奥様の間、化粧の間、一部屋づつ丁寧に案内され説明を受けました。

外に出て芝生の庭園を横切り茶苑へ。ここで立礼の抹茶接待を受け、各自展示場へ。
抹茶

とにかく広いのでこれぞと思う作品を重点的に鑑賞しないと時間が足りない。私自身は日本画に興味があるので、その他はささっと通りすぎるだけになってしまいました。

ヴィラデルソル
ヴィラデルソル
 圧倒的な伝統美術の余韻を残したまま、今回の旅行の最終目的地、昼食場所のヴィラデルソルに着きました。
紀州徳川家が東京の麻布飯倉に南葵文庫として建設した洋館を、高級旅館「蓬莱」が買い取り熱海に移築、ホテル・レストランとして活用している。

洋風の門を過ぎると、よく育った大木の間にひっそりとして建物がたたずむ。
クラシックな外観、玄関からロビーに入ると静寂なサロンにアンティークな家具。目の前はさえぎるもののない海。

新鮮な魚介類を生かしたフランス料理は味つけもやさしく、白ワインにピッタリ。旅の終りを締めくくるにふさわしく、とても豪華なひと時を提供してくれました。
食事の終わりごろには名物女将の古谷さんがご挨拶に現れ、イオニア様式の玄関前で女将を囲んで記念撮影をいたしました。

2泊3日、天候に恵まれ、美食に恵まれ、至玉の美術品に触れた贅沢な旅は熱海駅でお開きになりました。ここまでお付き合いいただきました参加者の皆様、お陰さまで楽しい時を共有することができました。皆様に心より感謝し、次の企画にも力を入れたいと存じます。

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